説明
こちらは、1701年 オーストリア(神聖ローマ帝国・ハプスブルク家)皇帝レオポルト1世(Leopold I/在位1657-1705年)ターラー銀貨になります。
レオポルト1世(Leopoldus I)は、ハプスブルク家を代表する偉大な神聖ローマ皇帝として、17世紀後半の中央ヨーロッパ史を決定づけた重要な君主です。在位48年にわたる治世下では、1683年の「第二次ウィーン包囲戦」におけるオスマン帝国軍からのウィーン防衛・撃退、その後の対オスマン大反攻(大トルコ戦争/1683-1699年)によるハンガリー全土の奪還、そして本コイン発行年の1701年に始まったヨーロッパ全域を巻き込む「スペイン継承戦争(War of the Spanish Succession/1701-1714年)」の開戦と、ハプスブルク帝国の歴史的転換点を矢継ぎ早に乗り越えた皇帝として知られています。
また、芸術と学問の篤い保護者でもあり、ウィーン宮廷音楽の黄金期を築き、ご自身も優れた作曲家として複数のオペラ・宗教曲を残された文化君主としての側面も併せ持つ、ヨーロッパ史に燦然と輝く名君です。
本ターラー銀貨を製造したハル造幣局は、現オーストリア西部チロル州ハルに位置した中世末期から近世にかけてヨーロッパ全土に名を轟かせた名造幣所です。
実は世界の大型銀貨「ターラー(Thaler/後の英ドル "Dollar" の語源)」の歴史を切り拓いた要となった造幣局であり、1486年にはここで「グルディナー(Guldiner)」と呼ばれる近世最初期の大型銀貨が生み出されました。ハル造幣局製ターラーは打刻の鋭さ、彫刻の精緻さ、銀の純度において当時のヨーロッパ最高水準を誇り、近世コインコレクションの中核を成す貴重な銘柄として現代まで高い評価を維持しています。
なお1701年銘は、ヨーロッパ史を一変させたスペイン継承戦争の開戦年にあたり、レオポルト1世が崩御する1705年の4年前という、皇帝最晩年の重要な発行年です。ハプスブルク帝国の威信を結集した壮麗な王権意匠を、当時最高水準の彫刻技術で表現した近世大型銀貨の傑作と言えます。
表面:レオポルト1世皇帝の右向き胸像。月桂冠を戴き、長い波打つカール髪(バロック期の典型的肖像様式)と豪奢な甲冑、肩から流れるマント姿で描かれる威厳ある皇帝像。周囲に「LEOPOLDVS·D·G·ROM·IMP·S·A·G·H·B·REX」(神の恩寵によりレオポルト、ローマ皇帝、永遠なる尊厳者、ゲルマニア・ハンガリー・ボヘミア王)の長銘文が配されます。
裏面:ハプスブルク家の壮麗な複合紋章楯。中央に皇帝戴冠(ホイサルン王冠/ライツェリーニン)を戴いた多分割楯(オーストリア・ハンガリー・ボヘミア・チロル等の各領邦紋章)が金羊毛勲章(Order of the Golden Fleece)の頸飾で囲まれ、両側にバロック様式の唐草飾りが配されます。周囲に「ARCHID·AVST·DVX·BV·COM·TYR·1701」(オーストリア大公、ブルゴーニュ公、チロル伯、1701年)の銘文が刻まれます。
【スペック】
銀品位:高純度銀(Reichsthaler規格)
重量:約28.5g(Reichsthaler規格)
直径:約42mm
発行:1701年 オーストリア・ハル造幣局(Münzstätte Hall in Tirol)
発行君主:神聖ローマ皇帝レオポルト1世(在位1657-1705年)
カタログ参照:Davenport-1003("World Crowns" by John S. Davenport)
【鑑定情報】
PCGSにてMS62の高鑑定を獲得しております。PCGSにて準最高鑑定品になります。
発行から324年を経た近世ハプスブルク朝大型銀貨でMS62を維持するコインで、皇帝肖像の繊細なカール髪・甲冑のディテール、複合紋章楯の細密彫刻、フィールドの保存状態いずれも良好な、深いトーンを纏った重厚な銀色は、300年余の時を生き抜いた歴史銀貨ならではの貫禄を放ちます。
【オークション情報】
国内AWにて2026年2月に同年号同グレード(NGC MS62)が399600円で落札されております。

海外でも直近2026年5月に同年号同グレード(PCGS MS62)が386544円(1800×1.22(手数料)×160.02(為替)×1.1(輸入消費税))で落札されております。

注目の神聖ローマ帝国 ターラー銀貨 MS62鑑定品を、オークション価格相当での出品になります!
ハプスブルク家コインコレクター、神聖ローマ帝国・近世ヨーロッパ史愛好家、ハル造幣局製ターラー収集家、Davenport カタログ収集に興味のある方に、是非ご検討頂ければ幸いです!














